山本尚志 Hisashi Yamamoto
TMMTアートプロジェクツ 山本尚志 個展「トリプルタワー」
クロージングパーティーのお知らせ

現在開催中のTMMTアートプロジェクツ 山本尚志 個展「トリプルタワー」において、
クロージングパーティーを開催することになりましたのでご案内致します。
お誘い合わせの上、是非ともご参加ください。


山本尚志「トリプルタワー」2018
©Hisashi Yamamoto, courtesy of YumikoChibaAssociates


■展覧会情報
TMMTアートプロジェクツ 山本尚志 個展「トリプルタワー」
会期:2018年3月3日(土)- 5月末終了予定
会場:東京都品川区東品川2-1-11 TMMT内

■クロージングパーティー
日時:2018年5月25日(金)18:00 – 20:00
会場:東京都品川区東品川2-1-11 TMMT内
参加費:無料

詳しくは>>

■展示ステートメント

山本尚志個展「トリプルタワー」に寄せて

幼稚園の年長組から、小学校中学年時代にかけて、何度か家族旅行で東京を訪れた。何度かと言ったのは、正確な数を忘れてしまったこともあるが、当時やたらと新幹線に乗った記憶があり、食堂車やビュッフェなど、そっちの情報量が圧倒的に優っているからだろう。いつどこに行ったのかは、どうでもよかった。そんなまだ小さな子供だった。新幹線が大好きだった。

つまり、当時地元広島まで延伸していた夢の超特急「山陽新幹線」が、私にとっての東京旅行の「印象のほとんど」を占めていたのだ。(私の初期作品「マド」では、新幹線の無数の窓枠をマーカーで書き「マド」とその中に書いた)

けれども、だ。ほとんど新幹線しか印象にない旅行の中で、家族3人で上った東京タワーだけは、別格だった。

浅草の雷門より、新宿副都心より、はとバスツアーで回った東京タワーがダントツで興奮した。

そして、帰りのエレベーターに乗り損ね、はとバスの発車時刻に間に合わないという父の判断で、展望台から非常階段で降りたことは、生涯忘れられない思い出だ。

一人っ子で育った幼少期、父と母と手を繋いで駆け下りた東京タワーの非常階段が、この「ありえないものシリーズ」その1、「トリプルタワー」という作品の根底にある。

ちなみに、同時展示作品の「ありえないものシリーズ」その2「ステーキ」のバリエーションは、「Tボーン」「Lボーン」というのがあるのなら、それを勝手に発明してやればいいのだという思い込みによるもの。(私の作品には通常版ステーキのほか「クロスボーンタイプ」や「ストマックタイプ」などがある)とにかくこれは書いていて楽しかった。

その3の「いれもの」は、入口が2つあるという「ありえない容器」を書いている。口から入れたいだけ入れて飽和状態を作り出してしまった、これはどこかの誰かへの警鐘なのかも知れない。このシリーズは、これからもどんどんバリエーションが増えていく予定。

最後に脱線するが、今回、個展会場の最寄り駅「天王洲アイル」に下見に行くのに、浜松町から東京モノレールに乗った折、我が家の東京旅行のどこかで、YS11に搭乗して羽田空港から広島空港に到着した記憶が鮮明に蘇った。やや不安定なモノレールの乗り心地が、旧い記憶を呼び覚ましたのだ。

言葉は記憶であり、記憶は私の書の源である。私たちが言葉をしたためるとき、それは常に過去を振り返るのだ。

この個展の時のことも、いつか私はどこかで書くのだろうか。

山本 尚志